【書評】「売れる会社のすごい仕組み」を読んで学んだこと!
売れる会社のすごい仕組みー佐藤義典著
「売れる会社のすごい仕組み」の要点
1.戦略BASiCS
2.手軽軸・商品軸・密着軸
3.売上5原則
4.戦略の一貫性の重要性
5.潜在顧客がファンになるまでのマインドフロー
「売れる会社のすごい仕組み」の書評
「ドリルを売るには穴を売れ」の読了後に本書を拝読いたしました。本書には前著の「ドリルを売るには穴を売れ」よりも高度で深いマーケティング手法が具体的に書かれていたと感じます。
学んだ内容は上記1~6の通りです。1の戦略BASiCSとはBattlefield(戦場)・Assets(独自資源)・Strength(差別化できる強み)・Customer(顧客ターゲット)・Selling Message(メッセージ)の5つを構成要素とした戦略理論です。この戦略BASiCSはコトラーやマイケルポーターなどが提唱するメジャーな戦略理論を多くを包含している点です。そのため抜け漏れなく戦略の作成ができる実践的なフレームワークとなっています。戦略BASiCSはマーケティング戦略のフレームワークで対象は基本的には商材・サービスであると思いますが、私の場合は所属企業に頼らずに一人でも生きる力を養うため、自分を商材と考えた戦略BASiCSも利用することでこの理論を体で覚えていきたいと思います。
2の手軽軸・商品軸・密着軸は「ドリルを売るには穴を売れ」においても解説がなされていた差別化戦略の手法でありますが、産業の成長により需要が飽和しつつある現代では3つ目の密着軸の商品・サービスが高付加価値を生み出すことができることを本書において追加的に学びました。入社するリクルート住まいカンパニーではクライアントへの広告コンサルティング営業を行うのでクライアントに密着した高付加価値を常に意識して仕事を行います。
3の売上5原則とは、売上=客数×客単価と考える中で、前者の客数を増加させる原則が①新規顧客の獲得・②既存顧客の維持であり、後者の客単価を向上させる原則が③購買頻度の向上・④購買点数の増加・⑤商品単価の向上であるとするものです。この原則は既知のものではありましたが、③の購買頻度の向上については正確に頭にインプットされていなかったため、しっかりと記憶しておきたいと思います。
4の戦略の一貫性の重要性については目から鱗でした。自社が提供するサービスの軸が手軽軸・商品軸・密着軸のどれなのかを意識しなければ高付加価値は提供できないということを本書を通じて理解しため、ローンチ前にしっかりとサービスの軸を確認する必要性を感じました。BizTストアのサービスは手軽軸に当てはまるため、直近で行おうとしている割引セールは戦略の軸に沿ったものであると確認もできました。今後ピッチコンテストやビジコンに出場する際はBASiCSに基づきながら戦略の一貫性を意識して新たなビジネスを創生したいと考えております。
5のマインドフローとは、潜在顧客がファンになるまでには、認知→興味→行動→比較→購買→利用→愛情というフローを辿っていくという考え方です。このマインドフローはマーケティングの王道であるAIDMAモデルやインターネットが普及してから有用性が高まっているAISASモデルに異なる点はあるものの似ている部分が多いなと感じました。これらのモデルの小さな違いについては提供するサービスの種類によって多少変化すると思うので臨機応変に対応したいと考えます。しかしながら本書のマインドフローはAIDMA・AISASよりも顧客のマインドが細分化されており、個人的に説得力が高いと感じたため、私は本書の顧客マインドフローを今後は利用していきたいと思います。
長くなりましたが本書の書評は以上となります。物語形式であったため容易に読了できましたが、学んだ内容は極めて深く本質的なものであったと感じます。